【新店レポ】金沢・片町「スタンド草間」で出会った“脳がバグるカレー” その正体は100年続く船上レシピだった

石川県金沢市片町の「カレー&BAR スタンド草間(くさま)」を、2026年5月8日に訪問しました。

ひょんなことから2026年3月にオープンを知った「スタンド草間」。“カレーが食べられるバー”ということで、最初は「そういうお店って結構あるよね」という印象でした。
しかも、見た目はかなりシンプルなカレー。正直、片町へ行くついでに寄ってみるか…くらいの気持ちだったんです。ところが、実際に食べてみると、その印象は完全にひっくり返されることに。思わず「脳がバグる」と感じた味わいと、想像もしなかった100年のカレーの歴史に、かなり衝撃を受けてしまいました。

しかも、金土日はお昼から営業しているとのことで、自分でも行きやすい! これはタイミングを合わせて行くしかない、ということで訪問してきました。

カレーを食べ歩いて今年で28年目。いしかわ観光特使で、自称「いしかわカレー大使」ナマステが、カレー王国・石川県の魅力を県内外に発信する「北陸カレー物語」のカレー食べ歩きブログです。

ほいっと到着!「カレー&BAR スタンド草間」。
お店の場所は細い路地ですが、「片町きらら」の道を挟んで向かい側。あの「宇宙軒食堂」の通りと言えば、ピンと来る方も多いはず。手前の白枠に黒い扉が目印です。
専用駐車場はありませんが、周辺にはコインパーキングも多いので安心。

……って、実は来るのはこれで3回目。1回目は前の予定が押してしまい、2回目は外国人のお客さんで満席。なかなかタイミングが合わず、今回ようやく“3度目の正直”で入店です!

ちょっと初見だと扉を開けるのに躊躇する雰囲気はあるんですが、いざ店内へ。

店内はカウンター5席のみのコンパクトな空間で、まさに「カレーBAR」という感じ。
お昼は若い気さくなオーナーの娘さんが切り盛りされていて、バーっぽさはありつつも、お昼営業ということもあって入りやすい空気感でした。ちなみに夜は叔母さん(娘さんから見て)が担当されているそうです。

普段はあまりメニューを載せないのですが、今回は分かりやすく外に出ていた黒板を。
フードは店名にもなっている「くさまカレー」とおつまみが中心で、あとはアルコール各種がずらり。しかも、「カレーだけOK! 飲むだけOK! チャージ・お通しなし」と書かれていて、めちゃくちゃ親切なバーなんです。

ってなわけで、本当は飲みたい気持ちをグッとこらえつつ、車なので今回は「くさまカレー」をさっそく注文です!

くさまカレー(200g) 800円(税込)

※価格は記事掲載時点のものです。

ほいっときました!「くさまカレー

実はせっかく片町に来たので、カレーハシゴしようかと思って、200gにしました。にしても、最近は1,000円以下のカレーとかほぼないので、とにかくリーズナブルですよねー!
しかも、200gって全部の量ではなくて、カレー200gとライスが200gなんだそうですよ。

最初に書いた通り、見た目はシンプル。見る人に寄るけど、おうちで作るカレーっぽくも感じませんか。実はこれは意外とキーワードなんですね!

というわけで!

それでは、サクッとひと口。
口に入れる前までは、見た目から“ちょっと家庭的なカレーをアレンジした感じかな?”なんて勝手に想像していたんですが、これがもう全然違う!
まず最初に、じっくり煮込まれた野菜の甘みが口の中にぶわっと広がります。

……で、数秒後。追いかけるように辛さとスパイシーさがやってきて、気づけば額にじんわり汗が。見た目からは想像できないくらい、奥行きのある辛さなんです。
ただ、激辛系ではなく、“甘さからの辛口”という感じなので、不思議とスプーンが止まらないタイプ。

そして食べながら、「あっ、この感じ知ってる!」となったんですよね。家庭のカレーっぽく見えるのに、実際に食べると全然違う――そう、

っぽさを感じるんです。これ、かなり大きなキーワードかもしれません。

添えられている自家製の漬物も、これまためちゃくちゃ良い感じ。実は農園もされているそうで、カレーに使う野菜も含め、自分たちで育てたものを使われているそうです。
……あー、これはお酒飲みたくなるやつ!

そして、この「くさまカレー」ですが、なななんと! 親子3代・100年受け継がれてきたレシピなんだとか!

公式情報によると、オーナーの祖父が日本郵船の船上コックを務め、その後大阪で洋食店を営業。戦争の影響で七尾へ移り、昭和28年に「欧風料理 草間会館(stand草間)」を開業したそうです。
その後、父親が昭和49年に「串カツくさま」として独立し、現在も七尾の人気店として母親が営業。そして2026年、受け継がれてきた「くさまカレー」を引っ提げて、現オーナーが金沢・片町に「スタンド草間」をオープン。

いやー、歴史が強い。
しかも現在はオーナーの娘さんもお店に立たれているので、実質“親子4代”の味ってことになりますね。

ここで、色々と話が繋がってくるんですよね。
ざっくりした説明ですが、イギリス経由で日本に入ってきた「カレー」は、当初は高級洋食として広まり、特に船上レストラン文化の中で発展したと言われています。
そして当時の日本郵船は、日本最大級の海運会社。その船上レストランでコックを務めるというのは、かなり特別な存在だったはずです。
(ちなみに、“ドライカレーは日本郵船発祥”なんて説もあるくらい)

その後、日本独自のカレー文化が広がり、カレールゥの登場で一般家庭へ浸透していくわけですが、つまり――この「くさまカレー」を見て、“家庭のカレーっぽい”と感じたのは実は歴史的に見ても当然の事で、間違いじゃなかったんですね。

そして、「海軍カレー」に似ていると感じたのも、よく考えると自然なことなんですよね。当時、限られた上流階級や軍関係から広がっていった“日本の洋食カレー”ですから、その味の系譜が近くなるのも納得です。戦前の海軍なんて、今とは比べものにならないくらいエリート階級ですしね。

実は自分も、まだ少し尖っていた頃は(笑)、「海軍カレーって、家庭のカレーっぽくない?」なんて思っていたんです。でも初めて食べた時、「えっ、こんなに美味しいの!?」と衝撃を受けた記憶があって、その感覚が今回ちょっと蘇ってきました。

新しいお店と思いきや、実は100年以上前、日本郵船の船上で受け継がれていたレシピの流れが、今も石川県に残っているという面白さ。
長年カレーを食べ歩いていても、まだまだ知らない歴史や文化が出てくるのが、カレーの奥深さだな〜と思います。

日本の洋食カレーのルーツに近い味だからこそ、どこか懐かしく、それでいて今の感覚だと逆に新鮮。あの

の正体、ちょっと分かった気がしました。

今度は夜に来て、お酒と一緒に〆カレーもやってみたいですね!
あっ、支払いは現金のみなので、その点はお気をつけてー!

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カレー&BAR スタンド草間
住所:石川県金沢市片町1丁目5−30
Instagram:https://www.instagram.com/standkusama/
※営業時間・定休日などの最新情報は公式SNSをご確認ください。
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「カレー&BAR スタンド草間」へのアクセス


もしよかったら、お店で「北陸カレー物語を見た!」と言ってもらえると、ナマステがこっそり喜びます(^ω^)

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※本記事は店舗の撮影・掲載許可を得て取材しています。
※店内飲食とテイクアウトで料金が異なる場合があります。

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